会長挨拶
新たな時代によせて
会長 角﨑 英志
(株式会社新日本科学 専務執行役員)
2019年末より全世界へ拡大した新型コロナウイルスの感染により、我々の日常は大きく変化しました。感染によりお亡くなりになった方々にお悔やみを申し上げますとともに、日夜奮闘されておられる医療関係者の方々に敬意を表します。一刻も早い終息を願ってやみません。
新型コロナウイルスに対するワクチンは、そのゲノム配列が2020年1月に明らかになったわずか11ヶ月後の同年12月初旬には、英国で承認されるという異例のスピードで開発されました(同年8月にはロシアでワクチンが承認されましたが、大規模臨床試験の結果が判明する前の特例承認でした)。この間、製薬企業はもちろんのこと開発を支援する業界である、いわゆるCRO(受託研究機関)も大きな役割を果たしたことは想像に難くありません。
本邦においても、このコロナ禍において「一般社団法人 日本安全性試験受託研究機関協議会」(略称 安研協)の会員企業では、多数の受託研究をサポートすることにより、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発を促進しています。思いは医薬品業界の方々と同様に一刻も早く安全で有効な薬を市中に届けることです。
さて、私は2020年11月の理事会におきまして代表理事兼会長に就任いたしました。当業界の発展のため、関係業界、団体、学会等と協働しながら、活動して参る所存です。いまや、医薬品や医療機器の研究開発にCROは必須となりました。加えて、食品や化学物質の安全性研究にもCROは貢献しております。このような崇高な社会的使命に応えるべく、本協議会、安研協は会員企業の相互協力及び連携を図り、業界の健全かつ円滑な発展に寄与する活動を継続、拡大して参ります。
最後になりましたが、これからも安研協の活動に変わらぬご支援、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
協議会の目的
当協議会は、日本国内において化学物質等の安全性試験等の非臨床試験の受託業務を実施する法人及び海外受託法人の日本代理店並びに受託業務の協力法人を会員とした協議会です。
近年、化学物質、医薬品、食品、医療機器などに関する安全性の確保及び有効性の根拠解明に対する要望は世界的に高まってきており、ICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)においても必要な検査のガイドラインは時を追って増加し、内容も複雑化しつつあります。
このような状況下において、当協議会は、極めて公益性の高い業務の遂行者であるという認識に立ち、非臨床試験に対する世界的な法的動向及び技術動向に対応するべく、会員機関の相互協力及び連携、関連分野における情報の収集及び伝達、各関連団体との連携を行っております。
また、会員機関/非会員機関の非臨床試験技術者に対する技術及び知識の向上を目的とした教育・研修テキストの発刊および本テキストを基にした技術者資格認定試験を実施しています。
活動内容
- 安研協認定技術者認定試験の実施(年1回)
- 安研協認定技術者資格更新の実施(年1回)
- 外部識者による講演会の開催(年1回)
- 教育・研修テキストの発刊及び改訂(随時)
- 関係官庁・関係団体等との交流
- 関係行政機関からの情報収集と会員への情報提供
- 市場アンケート調査(年1回)
- 役員会開催(年6回)
- 定期総会開催(11月)